中国の覇権志向に米国をはじめとして世界が警鐘を鳴らし、一帯一路への協力に警戒感を抱き消極的であるにもかかわらず、昨年10月訪中して以降の安倍晋三首相の対中姿勢は国益の視点を放棄したのではないかと疑わせるものがある。第2次安倍政権発足以降は対中接近に慎重であった首相が、今では「日中関係は完全に正常な軌道に戻った」と言い出したからである。