Cool!SUKIYA

国際都市・東京。各国のビジネスパーソンと仕事をすることが珍しくなくなった昨今、外国人と食事を共にするシーンも少なくない。
そんなとき、カジュアルなランチの場として利用したいのがすき家だ。

和風の味付けながら、肉を多く使った牛丼なら和食に慣れていなくても食べやすく、物珍しさもある。丼ものなのでスプーンでもきれいに食べられる。
外国人向けガイドにも『Gyudon』として紹介されるなど、牛丼店は注目のスポットなのだ。

円高の中にあっては、リーズナブルさも際だつだろう。

ビジネスでもこれを利用しない手はない。なにより、カウンターに肩を
並べて牛丼をほおばれば、相手をより身近に感じられるというもの。
これから始まるのは、外国人とのすき家体験をモデルに構成されたショートストーリー。
ぜひとも、牛丼を通じた国際交流をお試しあれ。

ブラジル人篇 ビジネスも肉食!ブラジル人ビジネスパーソンを満腹にさせたメガ盛りパワー

ブラジルは地球の反対側に位置する遠い国だが、親しさを感じている日本人は少なくない。ブラジルには日系人が多く、サッカー強国という憧れもある。
とある商社に勤める僕にとってもそうだ。今やブラジルは急成長するBRICsの一翼、ビジネスパートナーとしての存在感も年々大きくなっている。

今回、ほとんど丸1年をかけた折衝の末、ようやくサンパウロに本拠を置くA社との契約にこぎつけることができた。先方から担当者を招き、最終調整や内容確認、そして契約調印と相成ったが……。

スピードに仰天、メニューに驚嘆!

何事もなく契約が整い、僕はA社の海外事業統括マネージャーのロナウドとがっちりと握手をかわした。すると、「サトシ、ちょうどランチタイムだ。2人で行かないか?」と彼が声をかけてきた。
どうやら、一緒に食事をするというのは、契約した相手を信頼できるビジネスパートナーとして認めたという彼独特の儀式のようなものらしい。

それはうれしいことなのだが……。
「スシやテンプラもいいが、さすがに食べ飽きた。たっぷり肉が食べたい」
というロナウドの希望を満たすような店が、すぐに思いつかない。なにせブラジルと言えばシュラスコをはじめ豪快な肉料理の本場。こんなビジネス街ではなかなか難しい相談だ。

牛丼 すき家

「サトシ、あそこがいいじゃないか」
会社の外で悩んでいた僕に、ロナウドが指さす先には《すき家》の看板が。
あれは牛丼、beef bowlという日本式のファストフードで……と、あわてて英語で説明する僕をロナウドがさえぎる。

「知ってるよ。あれはSUKIYAだろう? サンパウロにオープンしたときにはちょっとしたニュースになったよ。残念ながら、まだ行ったことはないが」

すき家がブラジルに!? 全然知らなかった。ロナウドはサンパウロ店の盛況ぶりを知って、どんなものか食べてみたかったのだという。

「日本人の大好物と言っていたぞ。違うのか?」
いや、確かに一般的にはその通りではあるのだけれど。実は、白状すると僕はすき家に入ったことがない。嫌いというわけではないのだが、ファストフードという先入観からか足が向かなかったのだ。
たっぷりの肉が丼に乗った店頭のポスターを見て、ロナウドはもう乗り気のようだ。
しかし……いいのか?

ためらう僕をよそに、ロナウドは臆することなく店に入っていく。
まさか僕も初めてとは言い出せず、黙ってついて行くことになった。

大柄な体をやや窮屈そうにカウンターに収めた彼に、メニューを説明する。
「This is standard gyudon, regular size. This one is gyudon with three different kind of cheese toppings…」(これは普通の牛丼の並盛り、こっちは3種のチーズ牛丼…)
慣れた風を装うが、僕の心臓はドキドキものだ。まあ時にビジネスにはハッタリも大切ではあるけれど。

それにしても驚いた! すき家ってこんなにメニューがあるんだ! 牛丼だけじゃない、こだわり丼にカレーにたくさんのサイドメニュー、いちいち説明していたらそれだけで昼休みが終わってしまう。

すき家のメニュー

興味深くメニューを眺めているロナウドに、母国語のポルトガル語では《牛丼》をなんというのか尋ねてみた。
すると、牛丼自体はまだあまり知られていないが、『Carne Tigela』といわれたりするようだ、との答え。carneは『肉』、tigelaは『椀』だ。英語のbeef bowlにならった言葉なのかもしれない。
「サンパウロでは、日系人が広めた焼きそばが『Yakisoba』として定着したんだが、今度は牛丼もそのまま『Gyudon』で通じるようになるかもしれないね」とロナウド。

彼は、牛丼という1つの器を使うだけのメニューに10ものバリエーションがあることに驚き、さらにそのサイズがミニからメガまで6種類もあることにいたく仰天したようだ。それはつまり、牛丼だけで60パターンあるってことか! と。

牛丼のサイズがミニからメガまで6種類もある!

※「並」のお肉、ごはんの量を基準としています。

じっくり悩んだ末、彼はご飯は大盛り、肉は3倍というメガ盛りを注文する。
僕はオーソドックスに並盛りを。

牛丼が出されると、またもロナウドが驚きの声を上げる。
「1分もかからなかったぞ! いつもこうなのか?」
僕からすればファストフードなんだから当たり前じゃないのか、と思うのだが、彼にしてみれば驚嘆ものらしい。
今まで考えたこともなかったが、サイドメニューを組み合わせると100以上ものメニューがあるのに、遅くとも5分とかからず皿が出てくるなんて、本当はすごいことなのかもしれないな。
彼はきびきびと動くクルーをしきりに感心しながら眺めていた。

ファストフードにも見えた《もてなし》の心

牛丼

「Que gostoso!(うまい!)」
牛丼を一口食べてハイテンションになるロナウド。
僕も初めての牛丼を口に運ぶ。柔らかな牛肉とよく煮込まれたタマネギ、汁のたっぷり染みたご飯が、食欲に火を付ける。……これか! これが牛丼なんだ。

ロナウドが、見事な食べっぷりで丼を空にするのに見とれながら、僕は僕で初すき家の感激に浸っていた。

すき家クルー

あのメガ盛りをあっという間に平らげた彼は、カタコトの日本語でクルーに質問を始めた。
聞き耳を立てていると、すき家はチェーンなのか、日本中に何店舗あるのか、などと聞いているようだ。
クルーさんは忙しいときにもかかわらず、笑顔で応対してくれる。
全国に1,530店舗*というのは牛丼チェーン店では日本一だと、日本語と少しの英語まじりで、ときには僕が英語の助け船を出しながら説明する。

店を出る時にロナウドは、
「アリガトウ! Muito obrigado!」と、クルーに握手を求めた。見ているこっちもなんとなくいい気分になる。

オフィスに戻る道すがら、ロナウドはこう言った。ファストフードといえば安く食欲を満たすだけと思っていたが、今日考えを改めた、と。ここにはちゃんとサービスがあり、クォリティがある。あれだけのメニューを考えるアイデアがある。
クルーに、つたない日本語で質問しても嫌な顔ひとつしなかった。1000円も払っていないのに、ちゃんと客として扱ってくれた。これが日本のもてなしの心なんだ、と。

その通りだ。ファストフードに偏見を持っていたのは本当は僕のほうだ。あのクルーたちは、牛丼を誇りを持って提供していた。それもひとつの食文化であり、自分たちはそれを支える一員だという心構えがあればこそだ。

カジュアルな、普通の人が行く店だからこそ、そこに暮らす人の素顔が見えるんだ、とロナウドは続けた。
いいランチだった、と彼はもう一度僕に右手を差し出した。僕は少し自分を恥ずかしく思いながら、その手を取った。

「サトシ、君も言葉が通じなくて困っているクルーに自然に手を貸していただろう。あれが君の素顔なんだ。キミと日本をパートナーに選んでよかったよ」
短いランチだったが、多くのことを教わった。
彼はもう一度固く握手をして、ブラジルへと帰って行った。今度はサンパウロのすき家で一緒にメガ盛りを食べよう、と約束して。

*2010年12月現在

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