クールビズっていっても少し涼しいくらいで、仕事も全然はかどらなかったですからね。

そうなんだよ。今日も常務に「お前、何とかしろ！」って言われちゃってさ。常務の席、窓際だから特に暑いみたいなんだよ。で、何かいいアイデアない？　ただ、予算は限られてるけどね、えっへん。

そんなことで威張らないでくださいよ。それなら、窓ガラスの性能を変えるってのはどうですか？

窓ガラスの性能を変える？　ああ、窓を高いやつに入れ替えるってことね。

いやいや違いますよ。窓ガラス自体を入れ替えたら、工期もかかるだろうし、うちのオフィス賃貸だから、申請しても許可もらえるかわからないじゃないですか。だから、「二重窓（内窓）にする」とか「遮熱フィルムを貼る」とか「遮熱塗料を塗る」とか、別の方法でやるんですよ。どうです？

なんだか、それよさそうだな。
よし、じゃ来週の会議までにそれぞれどの方式がよいか考えてみようか。

いやー、相変わらず暑いな、これだけ暑いとまさにエアコン様様（Summer、Summer）だな。
どうだ。寒いギャグでちょっとは、涼しくなったか。

部長、そんなにお暑いなら、冷たいものでもいかがですか。私の視線ですけどね（ギロッ）。

さ、B男君、この前の話だけど、結局、どの方法がよいと思う？　報告してくれたまえ（キリッ）。

部長、変わり身早いですね…。はい、うちはオフィスを借りてる立場なので、最終的に原状復帰しなくちゃいけません。それから、はめ殺しの窓なので、選べる方式も限られてます。コストや工期を考えると、足場を組むような大規模な工事も避けたい。うかうかしてると夏なんて終わっちゃいますからね。となると、遮熱フィルムが総合的によいかと思います。

いいね。じゃ、それでいこう。じゃ、ビール飲みに行こうか。

ちょっと待ってください。

あれ？　ビール嫌い？

そうじゃありません。部長は「ATTOCH（アトッチ）」って知ってます？

アトッチ？　ううん。ボクッチ知らない。

アトッチっていうのは、“後付け”で、今の窓にLow-Eガラスを貼り込む商品なんです（図1）。

あーはいはい、あの噂のLow-Eガラスね。
ところで、それって何？

Low-Eガラスっていうのは、熱の放射を防ぐ特殊金属膜がコーティングされたガラスなんです。これを既存のガラスに貼るだけで、簡単に暑さを軽減できるんですよ（図2）。

なーんだ、それじゃ、ガラスとフィルムの違いだけで、遮熱フィルムと同じじゃないか。

いやいや、それなら私も食いつかないって。アトッチはね、“遮熱性”だけじゃなくて、“断熱性”も高いのよ。つまり、夏は外からの熱を軽減して、冬は熱を逃がさないってわけ。その効果によって、結露も大幅に減らしてくれるのよ！

え？　遮熱フィルムって、断熱性ないの？

残念ながら、一般的にはそうみたいなの。だから、冬場は外からの熱をはね返して、中の熱は逃がしちゃうから、年間エネルギーの削減率だと相当な差が出るのよ（図3）。それから、遮熱フィルムの場合、5～7年で貼り替えないといけないけど、アトッチは基本的に定期的な貼り替えがいらないの。それにね、今はグリーン投資減税や省エネ改修推進事業の対象製品で、いろいろと補助金がついてくるから、初期投資もお得になるのよ。

ややっ、もうできたのか。
確かに体感できるくらいに全然涼しい。むしろ、夏の暑さが、懐かしいくらいだな！

はい、「夏」と「懐かしい」を掛けたんですね。嫌だ、部長ったら、おもしろい！

あら、えらい変わりようだね。でも実際、快適だよなぁ。「総務部よくやってくれた」って、褒められたもんな。実際、みんなも集中力が増して、仕事の能率もかなり上がってるみたいだし。

うん。室内の快適性を示す指標があるんだけど、アトッチを設置した場合とガラスのみで比較したら、約3倍も快適性に違いが出るんだって（※1）。

しかも工期が早かったよね。足場不要で窓1カ所当たり20～30分しかかからないんだから（※2）。これなら、土日やオフィスに誰もいなくなった時間でやれちゃうわけだよね。あ、部長、常務がね、今回本社で評判が良かったから、他の拠点も含めて全社でやろうって言ってましたよ。

そうそう。僕も、常務から「どうしたんだ！　お前にしては珍しく仕事が早いじゃないか」って褒められちゃったよ。もう、照れちゃう。

残念！　部長、それ褒められてませんから。

お前たち、ギャグが古い！