世界最大級の保険・資産運用グループの運用部門を担う中核企業

 首藤正浩氏は2017年7月、アクサ・インベストメント・マネージャーズ(アクサIM) 代表取締役社長/チーフ・エグゼクティブ・オフィサーに就任した。首藤氏は大学院修了後、JPモルガン証券を経て、2012年にアクサIMに入社マネージング・ディレクターなどを務めてきた。

 「当社はもとより、アクサ・グループにとっても、日本市場は非常に重要な位置付けです。これまで以上に機関投資家をはじめとする日本の投資家との関係を深めていきたいと考えています。特に、保険・資産運用グループとして培ってきたDNAは、日本の銀行や保険会社などの機関投資家の運用方針とも親和性が高く、多様なニーズにきめ細かく対応できると自負しています」と話す。

 首藤氏が紹介するように、アクサ・グループは、生命保険、損害保険、資産運用分野などの幅広いニーズに応える消費やサービスを提供する世界最大級の保険・資産運用グループだ。世界64カ国に、約1億70万件にも上る個人や企業の顧客基盤を有している。

投資の全段階にわたる当社の手腕

 アクサIMはアクサ・グループにおける運用部門を担う中核企業であり、運用資産残高は7171億ユーロ(約96兆円)に達している。アクサIM自身も、世界21カ国に運用拠点を有し、60カ国・4997件の顧客(個人および企業)に多様なソリューションを提供している。

 「アクサIMは、アクサ・グループの運用部門が独立して誕生したという経緯があります。現在も、アクサ・グループは当社の主要な顧客です。生命保険会社、損害会社を中心とするアクサ・グループのコアとなる資産を運用してきた歴史から、債券の『バイ・アンド・メインテイン』(長期保有)運用などでは長年の実績があります」

 グループ内には、保有資産のダウンサイド(損失)リスクを敬遠する企業も少なくないという。比較的に保守的とされる日本の機関投資家のニーズにも通じるものがありそうだ(数値はいずれも2016年12月31日付)。

強みのある債券運用をはじめ株式から不動産まで幅広くカバー

 「むろん、アクサ・グループには生保・損保だけでなく多様な業種の企業があります。国や地域によって規制や運用方針も異なります。ダウンサイドをプロテクトするだけでなく、積極的にパフォーマンスを狙っていきたいというニーズもあり、それに応える幅広い戦略を提供しています」と首藤氏は話す。債券では、政府機関債や投資適格社債などはもとより、ハイ・イールド債などまで市場全般をカバーする。

 一方で、首藤氏が紹介するように、機関投資家の中にも、高いリターンを目指して、アセット・アロケーションにおける株式の組み入れ比率を高めるところもある。

 「株式投資においても、中長期的な視点で銘柄選定を行い、成果につながっています」と首藤氏は話す。

 前述したように、アクサIM自身が21カ国に2400人以上の専門スタッフを要する世界でも有数の資産運用会社である。クレジットリサーチには定評があるが、株式投資についても企業分析を運用プロセスの中核に置き投資家の期待に応えている。

 1999年にはクオンツ運用のパイオニアであるローゼンバーグ社を、2005年にはボトムアップの株式選択プロセスで40年以上の実績があるフラムリントン社を買収したことも、企業分析重視の株式運用チームの強みになっている。

 「ストラクチャード・ファイナンス(バンクローンや保険リンク債券等)などオルタナティブな戦略の提供でも専門スタッフを多数擁しています。また、不動産などリアル・アセットへの投資においても、当社は世界を代表する存在です。さらに、多様な資産クラスへの投資を行うマルチ・アセット戦略でも、当社は専門の部門を設置し、お客様向けにカスタマイズされたソリューションを提供しています」というから頼もしい。

責任投資なども含め、日本企業のニーズにきめ細かく柔軟に応える

 「当社は、責任投資に関しても早くから強いコミットメントを置き、ESG(環境・社会・ガバナンス)やインパクト投資といった責任投資(RI)の分野にも積極的に取り組んでいます」と首藤氏は語る。

 インパクト投資とは、金銭的なリターンと社会的な利益を同時に獲得するもので、幅広く複雑な社会的・環境的テーマをカバーする。農業や教育、環境配慮型製品の製造販売、ヘルスケア、貧困層向けビジネスなどにおいて、最新のテクノロジーや先駆的な配送システムにより効率性を獲得し、それらを最も必要としている人々に届けるといった、文字どおり社会にインパクトを与える事業への投資拡大に期待が集まっている。

 欧州では運用全体にESGへの投資評価を取り込む「ESGインテグレーション」も広がりつつある。アクサIMはこれらの責任投資のサポートでも業界をリードする。独自の分析ツール「RI Search」の提供なども高く評価されている。

 日本の機関投資家の間にもESG投資への関心が高まっている。生命保険最大手の日本生命保険は、2016年6月よりESG領域における欧州社債運用をアクサIMに委託し、投資額は2億ユーロ(約270億円)まで伸びている。

 首藤氏は「RIなど欧州で実績のある運用を、日本の機関投資家のお客様の独自のニーズに合わせて提供していきたいと考えています」と話す。

首藤 正浩

 日本のリテール向けの運用にもコミットしており、「日本の投信会社と顧客ニーズに合った商品開発に取り組んでいます。たとえば、長期的な投資テーマとして、日本を含む世界のロボット関連企業に投資する運用戦略を開発し、大和証券投資信託委託にロボテックファンドの運用提供を行っています。このファンドはパフォーマンスが良好で運用資産残高が増加しております」と好調の様子を語る。

 この成功をきっかけに、欧州でも同様の運用を行うファンドを開発した。このように日本での成功を海外に「輸出」するケースも出てきており、首藤氏は、日本からグローバルに発信することも重要な使命と考えている。

 「日本の保険会社や年金基金などの機関投資家にとっては、低金利により厳しい運用環境が続いていますが、当社には、お客様のそれぞれのニーズにお応えし、カスタマイズも含めて柔軟に対応できる体制があります。冒頭に申し上げたように、アクサ・グループでは今後さらに日本市場のコミットメントを高めていきます。さまざまなお客様に、ぜひご相談いただきたいと願っています」と首藤氏は力を込める。

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