企業のグローバル化に伴い、個々のビジネスパーソンに求められる資質も変化している。語学力はもちろん、存在感のある立ち居振る舞い、そして整えられた身だしなみなど、ビジネスで高いパフォーマンスを示すために備えておくべきレベルはおのずと高いものになっている。マネジメントクラスに達したいわゆる“責任世代”ならなおさらだ。「新人当時とはメンタリティーも立場もまるで違う現在のあなたには、それ相応の身だしなみがあるはず」、とアドバイスするのは、人気ファッションディレクターとして、さまざまなメディアで活躍する干場義雅氏だ。干場氏にマネジメントクラスにふさわしい装いについて伺った。

干場 義雅 氏講談社 第一事業局 第一事業戦略部
『FORZA STYLE』編集長
ファッションディレクター
PELLE MORBIDA クリエイティブディレクター

Interview YOSHIMASA HOSHIBA マネジメントクラスの装いは、「信頼感」と「統一感」がポイント

「社会人になって10年以上経つのに、もし装いに特に変化がないままだというなら、自らのファッションについて再定義する時期に来ています。ポイントは、信頼感と統一感です」とアドバイスするのは、雑誌『LEON』『OCEANS』の創刊に参画してヒット企画を手掛け、現在は講談社のウェブマガジン『FORZA STYLE』編集長として、また、テレビや新聞、ラジオなどさまざまなメディアに人気ファッションディレクターとして出演しながら、PELLE MORBIDAというブランドのクリエイティブディレクターとしても活躍する干場義雅氏だ。その理由を次のように述べる。

「入社して一定の時間が経ってマネジメントクラスになると、信頼感によって人間関係が広がり、それが仕事の大きな部分を占めるようになってきます。信頼感は実績だけがもたらすものではなく、アピアランス(外見)も大きく影響します。例えば、爪や歯が汚れていたり口臭が漂っていたりすると、それだけで不安や不信感を抱いてしまいます。身に着けるものも同様で、一定以上のレベルが求められるのです」

干場氏は、ビジネスシーンで装いが信頼感に与える影響は大きいと言う。押さえるべき基本として「グレイかネイビーで体型にフィットした上質なスーツ」「白無地もしくは水色のシャツ」「ネイビーか黒のネクタイ」と、ベーシックでシンプルな装いを薦める。

「装い、つまりスタイルは全て無地がお薦めです。派手な色や柄があるとそこに目がいってしまいます。服装が主張するのではなく、自身の内面が引き立つようにしなければなりません。またシンプルで上質な装いは、相手に安心感も与えます」

もちろん装いには、バッグやカードケース、財布などのアイテムも含まれる。シャツやスーツと統一感をもって信頼感を引き上げるピースとしてこれらも重要だ。干場氏は、自身がクリエイティブディレクターを務めるバッグや財布のブランド「PELLE MORBIDA(ペッレ モルビダ)」にそのメッセージを込める。

「私は長年ライフスタイル誌の編集をやってきました。そのため、良質なプロダクトにたくさん触れてきました。そこでたどり着いた哲学は『多くの粗悪なものではなく、少しの良いものを』『移り変わる流行より、普遍的な美しいスタイルを』です。もちろん、世界にはハイクオリティの製品はたくさんあります。しかし、普段使いとなると、コストなどの面でハードルが高くなります。そこで、良質で流行を追わない、そして適正なプライスのアイテムで日本のモノづくり、ビジネスパーソンを応援したいという思いから、PELLE MORBIDAを立ち上げました」

PELLE MORBIDAはイタリア語で「柔らかな肌(革)」という意味を持つ。その名の通り、革に大きなポイントがある。オリジナルレシピで開発したシュリンクレザーは、日本有数の皮革生産地である兵庫県姫路市松原地区でつくり出された素材だ。上品で味のあるシボ立ちと芯通ししたカラーリング、絶妙なツヤ感が身上だ。縫製に関しても、高い技術力を持つ国内の職人に依頼するなど、随所にこだわりが散りばめられている。

見るべき点は細部にもある。「PELLE MORBIDAのバッグや財布のデザインフィロソフィーは『曲線的であること』。船体や海の波形など優雅な船旅を感じさせるデザインをモチーフにし、日本の職人の丁寧な技術によって全体的に丸みを帯びた柔らかな曲線を大切にしている。これによってメンズアイテムながら男らしさの中に品格と色っぽさが加わり、本質を求める大人のスタイルに似合うものに仕上げています」と自身が取り組んだ製品の特徴を紹介する。長く使えるシンプルで上質な仕上げの中に、持つ喜びを刺激するディティールがあり、これを携えるビジネスパーソンの存在感を高める。

PELLE MORBIDA 2017年秋冬コレクションから。「Maiden Voyage Brief Bag(2room) / Navy」¥60,000 [H30×W40×D12.5cm]、「Capitano Brief Bag(1room)/ Dark Brown」¥54,000 [H30×W40.5×D9cm]、「Barca Long Wallet / Black」「Barca Coin Case(Box) / Navy」「Barca Card Case / Orange」。「Capitano(キャピターノ)」は「船長」の意。ビジネスという世界の大海原を航海する人に向けて機能的で使いやすいアイテムを提案するライン。「Maiden Voyage(メイデンボヤージュ)」は「処女航海」のこと。「完成した船(バッグ)が世に出ていく」イメージが込められたブランドのスタンダードラインだ

PELLE MORBIDAの高級ライン「Mare」から「COMPAGNO / Black」¥82,000 [H30×W41×D9.5cm]。ブリーフバッグはスーツ姿にマッチするマストアイテム。革の奥行き感のある光沢が上質感を表現している

ワンランク上へ PELLE MORBIDA Mare

PELLE MORBIDA 2017年秋冬コレクションは、地中海クルーズと並んで人気の「カリビアンクルーズ」がテーマだ。1年を通して暖かい気候のカリブ海では、他の地ではクルーズに適さない冬にも多くの船旅が用意され、世界中のセレブリティが集まる。通常なら落ち着いたイメージの多い秋冬コレクションだが、暖色系の明るいカラーが目に飛び込んでくるのはそのためだ。

触れておきたいのは、イタリア語で「海」を意味する「Mare(マーレ)」シリーズだ。MareシリーズはPELLE MORBIDAの中でもワンランク上のラインだ。カリブの暖かさと男らしさを感じさせるダークブラウンが新色として加わり、バッグやポーチなどに採用されたのが秋冬のトピックスだ。

干場氏は「例えば、仲間、同志を意味する『COMPAGNO(コンパーニョ)』は、ビジネスシーンを共に過ごし共に戦うブリーフバッグ。イタリアのピサで1971年に創業したヌォーヴァ オーヴァーロード社オリジナルの型押しレザーを採用したことで、柔軟性がありながら、厚みがあり銀面(なめしの模様)が強い仕上がりになっています」と説明する。

Mareシリーズのトートバッグ「BELLO / Black」¥80,000 [H34×W44×D14cm]。ジャケットにパンツといった、近年増えているビジネスカジュアルに適したモデルといえる。

また、同シリーズの「BELLO(ベッロ)」は、色香が漂う美しい男性をイメージしたトートバッグとなっている。「近年はビジネススタイルも多様化し、IT関連など一部の業種ではジャケットとパンツ、あるいはジーンズと、カジュアルな装いで働くマネジメントクラスも珍しくありません。そういったスタイルにもマッチするよう、幅広いラインアップを目指しました」

バッグだけでなく、シューズ、ベルト、腕時計の革バンドは同色だとファッションに統一感を持たせることができる。これについて干場氏は、「最初はスタンダードな黒色でそろえ、次いで茶色など、幅を広げていくとよいでしょう。これらのカラーリングだとグレイやネイビーのスーツとの相性もよくトータルコーディネートの面でも問題ありません」とする。PELLE MORBIDAの小物は、豊富なカラーリングに加えて4種類のレザーを使い分け、基本から始める場合も、ちょっとアレンジする場合も、無理なくチョイスできる懐の深さがある。

Mareシリーズでは、タンナー(革職人)の多い町イタリア・ピサで1971年に創業した、ヌォーヴァ オーヴァーロード社オリジナルの型押しレザーを採用。大人の色気を醸し出す

Mareシリーズをはじめ、PELLE MORBIDAのバッグでは、金具もすべてオリジナルを使う。スーパーホワイト加工を施し、特徴のある光沢を放つ。デザインは見た目だけではなく、強度や軽量化を求めた結果でもある

「COMPAGNO」の内側。ビジネスでの使用を想定し、デザイン性と機能性を両立させている。スマホやタブレットを収納できるウレタン入りのポケット、ファスナー付ポケットも備えている

「BELLO」の内側。この製品をはじめ、多くの内張りには、マイクロライトスエードを使用。触り心地がスムーズで使用感は良好。また、内容物を痛めることもない

Recommended Items

「deck/9 Boston Bag/Black」¥130,000 [H27×W44×D19cm](左)と「deck/9 Brief Bag(1room)/Black」¥85,000 [H30×W41×D11cm](右)。deck/9は、PELLE MORBIDA直営店限定のハイエンドモデル。背面には国内外の出張を想定、キャリーバッグのハンドルを通して一緒に運べる工夫があり、デザイン上の特徴にもなっている

「Barca」シリーズから「Card Case / Orange」¥12,000 [H8×W11×D1.5cm]。カラーバリエーションは多様だが、ビビッドなオレンジをチョイスした。名刺交換で目に入るカードケースで、鮮やかな印象を残すことができる

「Barca」シリーズから「Long Wallet / Black」¥25,000 [H9×W19×D1.5cm]。カード収納部分は波形のカットにすることでキーコンセプトを踏襲しつつ、カードが見やすく、取り出しやすさにもつながっている。周縁部は独特の加工で強化され耐久性がある

「Barca」シリーズから「Coin Case(Box) / Navy」¥10,000 [H7.5×W8×D2cm]。プリズムとよばれる牛革に水シボ柄の型押しレザーを使用。マチが立ち上がり広く開くため使い勝手がいい

PELLE MORBIDAという信頼感を武器にビジネスのフィールドを広げる時

干場氏をクリエイティブディレクターに、数々の思いを込めてビジネスパーソンを刺激するPELLE MORBIDA。プロダクトの数々には、マネジメントクラスにシフトしたビジネスパーソンが装いを再定義する時、たとえ海外に出掛けて行っても自らの存在を正しく伝え、信頼感という最高の評価を得るに必要なエッセンスが詰まっている。

「冒頭で申し上げた通り、マネジメントクラスには信頼感が求められ、それをアピールするために、服装やバッグをはじめとするアイテムは非常に重要な存在です。私は、PELLE MORBIDAを手に自信に満ちたビジネスパーソンが、日本のみならず世界にフィールドを広げていく姿を夢見ています」と干場氏はエールを贈る。

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