野中日本経営品質賞、大規模部門の受賞、おめでとうございます。
平井ありがとうございます。
野中『いかに日本企業を元気にするか』が現在、経営学で取り組んでいるテーマの一つなのですが、最近日本の企業がどうも元気がないのは、データ収集や分析を重視するあまり現場の実践知を軽視しがちな分析麻痺症候群に陥っているからだと思います。効率の追求と新しいビジネスの創造の両方をダイナミックにバランスをとりながら、イノベーションを生み続ける組織体をどうしたら作れるかということに大変興味があります。
平井シスコシステムズ (シスコ) の役割はいかにネットワークを活用して日本を元気にできるか、ということだと思っています。そのようなイノベーションを生み出すために焦点を当てるべきは「人財」だと考えています。特に、中間管理層、つまり現場に近く、かつ経営ビジョンも理解している層、そこが一番の大きな原動力です。
野中中間管理層はトップの意図も、戦略もわかり、現場にも近い、最も難しい役割です。この層を育成する実践知をいかに組織に埋め込むかは非常に重要で困難なことですが、どのように取り組んでいるかを教えてください。
平井共有できるビジョンを持つことが重要です。シスコでは我々が掲げる信条をシスコ カルチャーと呼びカードに記載して全社員に周知しています。協調して仕事をするときにはビジョンを共有、共感、さらには共鳴して増幅できる環境が重要だと思います。