2016年4月の熊本地震のとき、知り合いの城好きの女性は、熊本城の石垣が崩落した映像を見て泣いてしまったそうだ。世の中には、そうした人も少なくないのかもしれないが、筆者は「あー」という感じではあったけれど、悲しくはなかった。城の石垣とは、そもそも地震や大雨で崩れるものだ、と思っていたからである。 江戸時代にも近代に入ってからも、全国各地の城の石垣は、しばしば地震や大雨で崩れてきた。われわれがいま見ているのは、幸運にも崩れずに残った石垣か、ないしは人々がせっせと復旧した石垣なのである。築城から何百年も、ビクともせずに残っていて当たり前などというのは、現代人の勝手な思い込み(または憧れ)でしかない
東日本大震災で被災した白河小峰城の「石垣」に宿る魅力、コンパクトながら凝った造りの平山城
蒲生氏郷や上杉景勝が支城として築き、安土築城で奉行を務めた丹羽長秀の嫡男が整える
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