放送第2回「めぐりあい」から、ついに主演の吉高由里子演じる紫式部が登場する。紫式部の本名はわかっておらず、ドラマでは「まひろ」と呼ばれているが、本稿では「紫式部」で統一する。 冒頭から15歳になった紫式部が、成人の儀式で十二単を着た姿で現れる。傍らには、紫式部の父で、岸谷五朗演じる藤原為時の姿もある。「重い……」 そうこぼす紫式部に対して、紫式部の弟・惟規の乳母いとが「姫様、裳(も)をつけるとは、そういうことなのでございますよ」と説明している。 裳(も)とは、腰から末広がりに垂れた袴に似た着物のことで、十二単を構成する衣服のひとつ。冒頭のシーンにあるように、平安時代では、貴族の女性が成人すると