ドイツでは12月中旬になると街角にクリスマス・マーケットが開かれ、歳末ムードが深まる。だが2023年の師走は、多くの政治家、中央省庁の官僚たちによって「最悪のクリスマス」として記憶されるだろう。 その引き金は、11月15日に連邦憲法裁判所が下した判決である。この日第2法廷のドリス・ケーニヒ裁判長は、「ショルツ政権が22年初頭に、コロナ・パンデミック向け特別予算の内、余っていた600億ユーロ(9兆6000億円・1ユーロ=160円換算)を、コロナと無関係の経済の脱炭素化やデジタル化のための『気候保護・エネルギー転換基金(KTF)』に流用したことは違憲」と断定した。この予算措置を含む21会計年度の第