核融合は順調に開発が進めば2050年には実用化される。その暁には、現在の原子力発電並みの手頃な価格で、事実上無尽蔵で、安全、かつ核拡散の心配もない、非の打ち所がない発電方式を、人類は手に入れることになる。 他方でいま、先進諸国は2050年までに脱炭素、つまりCO2排出をゼロにすると言っている。ならばそのころにようやく実用化される見込みの核融合には、もはや温暖化対策としての価値は残されていないのだろうか? そうではない。なぜなら、現実には、先進国の2050年までの脱炭素はおぼつかないからだ。 原子力発電に一気に舵を切れば、発電部門からのCO2についてはほぼ脱炭素ができることになる。しかしこれには