今から40年近く前の1987年、日本で「マルサの女」という映画が公開された。監督・脚本は伊丹十三で、主演は彼の妻である宮本信子。タイトルにある「マルサ」とは、国税局査察部の査察官を指す通称で、この査察官となった主人公の活躍を描くという内容だった。 映画は大ヒットし、翌年には続編となる『マルサの女2』が制作されている。 映画はまさに頭脳戦といったところで、脱税する側と、それを暴こうとするマルサ側の丁々発止のやり取りが描かれている。さまざまな専門知識と、ひらめきや直観力、そして悪人たちとのコミュニケーションを通じて真相に迫ろうとする査察官たちの姿は、プロフェッショナルと呼ぶにふさわしいものだった。