仮想通貨以外のブロックチェーン応用例が動き出す

投票システム、宅配ボックス、電力の発電元など多岐にわたる

栗原 雅/2018.3.30

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 発行した電気トークンは、みんな電力が用意するバーチャルな電力取引所で発電事業者と需要家が取引し、ブロックチェーンに記録する。その記録を基に電気トークンの取引履歴をたどっていくと、どの発電事業者の電気かと、最終的な行き先(需要家)が1対1で特定できるようになる仕組みである。

 みんな電力はENECTION 2.0を活用したサービスの第1弾として、環境意識が高い企業や地方自治体向けに、再生可能エネルギー(再エネ)電源由来の電気を供給する発電事業者と需要家を1対1で紐づける「電源トラッキング」を、2018年秋にも始める。発電事業者の電源と、オフィスや工場、店舗のスマートメーターからそれぞれ発電量と使用量の実績データを取り込む。そして企業や自治体が実際に使った電気の量に相当する電気トークンを、発電事業者から自動で振り分ける。

 再エネ電源に由来する電気が、電線の中で他の電源の電気と一緒になってオフィスや店舗に届けられることには変わりがない。しかし、みんな電力がブロックチェーンに記録された電気トークンの取引履歴に基づいてENECTION 2.0で発行する月間の取引実績を参照することで、企業や自治体は再エネの使用状況を仮想的に把握できる。

企業と個人が余剰電力を直接取引できるサービスも

 2019年にはENECTION 2.0のサービス第2弾として、再エネ電源由来の余剰電力シェアリングサービスを計画している。家庭用太陽光発電の固定価格買い取り制度(FIT)が2019年度末に終了し、約50万世帯が余剰電力の価格を自ら決めて売り先を探さなければならなくなる見通しだ。みんな電力はFIT期限切れになる電気に対して、ENECTION 2.0で「みんでんトークン(仮称)」を発行。企業と個人が余剰電力を直接取引できるようにする考えだ。

図2 みんな電力が2019年に提供を計画している余剰電力シェアリングサービスのイメージ(プレスリリースより)

 翌2020年を想定した第3弾では、海外で脚光を浴び始めている「バーチャルPPA(Power Purchase Agreement)」と呼ぶサービスの提供を視野に入れている。発電事業者の再エネ電源に投資した企業へ、ENECTION 2.0で「電源トークン(仮称)」を発行。企業は当該電源から、電源トークンに見合う量の電気を中長期的に使用する権利を得る。発電事業者は設備投資の資金調達がやりやすくなり、企業は環境負荷低減に向けた取り組みを促進しやすくなる。