日銀の12月20日の金融政策決定会合は、久々のサプライズだった。円安で1ドル=150円まで下がったときも、国債を買い支えるYCC(イールドカーブ・コントロール)の基準となる長期金利の上限を0.25%で変えなかった日銀が「上限を0.5%に上げる」と発表したからだ。これで為替は一挙に1ドル=131円台まで円高になり、株価は大きく下がった。 黒田総裁は、これは「利上げではない」と強調したが、そんな話を信じる市場関係者はいない。指標となる10年物国債の金利は0.499%と、上限に張りついた。これは来年で2期10年の任期を終える黒田氏の(いやいやながらの)出口への第一歩である。 2013年4月に黒田総裁