おわりに

 いま世界の関心は、イスラエルがイランに報復攻撃をするかではなく、いつ、どのような報復攻撃をするかであると既述したが、筆者はイスラエルのイランへの報復攻撃は避けられないと見ている。

 その理由は、建国以来、常に敵対する国々に囲まれてきたイスラエルは、自国への攻撃に対して迅速果断に大規模に反撃する大量報復戦略をとってきた。

 彼らは、この戦略に抑止効果があると信じている。従って、今回もイスラエルは報復するだろうと筆者はみている。

 イスラエルはこれまでも、たびたびイランは核開発において「レッドライン」を超えたと述べている。

 また、イスラエルはイラン政府が核兵器を所持することを決して認めないことを公言している。

 以上のことから、今回のイスラエルの報復攻撃では、イランの核施設を攻撃する公算は大きい。

 国際社会は、中東全体を巻き込んだ「第5次中東戦争」への拡大防止に努力するしかしかないであろう。