ビッグモーター(写真:つのだよしお/アフロ)

(柳原 三佳・ノンフィクション作家)

問題はビッグモーターと損保ジャパンの関係だけなのか

 ここ数年、損保各社はビッグモーターを「指定工場(推奨整備工場)」として顧客に紹介し、事故車の入庫誘導を積極的に行っていました。その理由は、大口の保険代理店である同社から、より多くの自賠責保険契約を獲得するためで、9月8日の損保ジャパンの会見では、「事故車をビッグモーターに1台入庫すれば、自賠責の契約を5件もらえる」という取り決めがあったこと、つまり、互いにメリットがあったことを認めています。

 ところが今回、ビッグモーターの修理部門で不正請求の事実が明るみに出ると、時期にばらつきはあるものの、損保各社は手のひらを返したように同社との関係を断ち切りました。こうした「あからさま」ともいえる動きを見て感じるのは、損保会社が推奨する「指定工場」は、本当に信頼できるのか? また、その判断基準は確かなのか? という疑問です。

 ちなみに、損保ジャパンのサイトには、『サービス、設備、技術などが一定の基準を満たしている工場を、損保ジャパンの「推奨整備工場」としてご案内します』とあります(推奨整備工場ご紹介サービスとは?/損保ジャパンHP 自動車保険Q&A)。

 結果的にビッグモーターはその基準を満たしていなかった、ということになるわけですが、大量の顧客を紹介する前に、もっと早く決断を下せたのではないでしょうか。そして、これは、ビッグモーターと損保ジャパンだけの問題と言えるのでしょうか。

 今年7月、『損保は被害者なのか?ビッグモーター問題の根源に「自賠責の粗利の高さ」の声 実は損保に「おいしい」自賠責引き受け、そこに修理業者との「癒着」の可能性(JBpress)』で、いち早く損保と修理業界との癒着の真相について語ってくださった、自動車のアフターマーケットに詳しい松永博司氏(株式会社ジェイシーレゾナンス代表取締役社長)に改めてお話を伺いました。

【参考記事】損保は被害者なのか?ビッグモーター問題の根源に「自賠責の粗利の高さ」の声(JBpress)