THE TIP of CHANGE Mizuho Research & Technologies, Ltd. Special website

前例のない挑戦で
日本の新たな進路を切り拓く。
官民連携のイノベーター

 日本の抱えるさまざまな課題に対応する一つの手法として官民連携が注目されている。みずほリサーチ&テクノロジーズは日本の官民連携(PPP/PFI)のパイオニアといえる存在で、公共セクター(国・地方公共団等)から数多くの調査・アドバイザリー業務を受託してきた。そして現在、日本の将来を見据えた新たな課題解決に官民連携で貢献しようとしている。背景には、前例のない案件にも積極的に挑戦する同社ならではの姿勢がある。

01 官民連携(PPP/PFI)の
パイオニアとして
豊富な実績を誇る

 空港、港湾、道路、鉄道、上下水、エネルギーなどのインフラ施設、スタジアム、アリーナ、美術館、博物館などのスポーツ・芸術文化施設、さらには学校、病院、図書館などといった施設の多くは、以前は公共セクターによりその整備・維持管理が行われていたが、財政上の課題や、少子化高齢化による担い手不足などによりその継続が難しくなっている。

「そこで、公共施設の建設や運営のために官民連携(PPP/PFI)の手法の導入を検討する公共セクターが増えています」と説明するのは、みずほリサーチ&テクノロジーズ 戦略コンサルティング部 官民連携イノベーションチーム プリンシパル / 主席研究員の丸山正輝氏だ。

 PFI(Private Finance Initiative)は、民間資金を活用した社会資本整備のことで、PPP(Public Private Partnership)の手法の一つだ。日本では1999年に制定されたいわゆるPFI法に基づき、公共セクターが公共施設の新設や建て替えなどで活用される例が増えている。

 丸山氏は「当社は、PFI法が施行される以前から、シンクタンクとして公共セクターと民間企業とが連携するさまざまな事業において、調査・アドバイザリー業務を行ってきました。その点では、日本における官民連携のパイオニアであると自負しています」と語る。

 実際に、同社では実質的に国内第1号のPFI事業である金町浄水場常用発電PFIモデル事業(東京都・葛飾区)のアドバイザー業務を務めたほか、公共セクターから累計600件を超えるPPP/PFIの受託実績がある。施設を所有したまま運営権を民間に売却するコンセッション方式などの支援経験も豊富だ。

 みずほリサーチ&テクノロジーズが業界トップクラスの実績を誇る背景には、同社ならではの事業基盤がある。

「官民連携とは、公共施設の整備・運営や公共サービスの提供にあたって民間の力を活用することです。そのためには公共セクターの明確な考え方を示しつつ、民間企業の方々の意見・提案を取り入れ、事業参画したいと思ってもらう事業スキームを構築することが不可欠です。そこで強みになるのが経験豊富な専門家であるコンサルタントと<みずほ>のネットワークです」(丸山氏)

 <みずほ>は国内上場企業の約7割と取引がある。全国に広がる拠点網も強みだ。

「当社は公共セクターの意向や考え方を把握しているだけでなく、民間企業の考え方や技術・ノウハウも知り尽くしています。どのような形であれば事業を最適に進めていくことができるのか、まさに『官民の橋渡し役』を務めることができます」と丸山氏は自信を見せる。

02 SX / DX等の新たな社会・
環境課題への対応・解決も支援

 戦略コンサルティング部 官民連携イノベーションチーム 主席研究員の森山浩行氏は「PPP/PFIについて、これまではより効率的・効果的な公共施設の整備・運営に焦点が当たっていましたが、最近ではSX、DXなど、新たな社会経済の変化への対応なども求められるようになってきています」と話す。

 政府は2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げている。当然ながら、これらの目標達成には地域の脱炭素への取組みも不可欠である。

「脱炭素については、どの地方公共団体も一様に『やらなければならない』と語ります。中には『ゼロカーボンシティ』といった旗印を掲げているところもありますが、その取組みの実装はこれからといったところも多いです」(森山氏)

 目標の実現には課題も多い。というのも、そのミッションを達成するためには、地方公共団体の公共事業だけでなく、域内の住民や企業が排出する温室効果ガスも含めた削減の取り組みが不可欠だからだ。地域の属性によっても差が出るだろう。大都市圏のベッドタウンの地方公共団体と、工業地帯のそれとでは排出の由来も異なる。

「一口で『カーボンニュートラル』と言っても、地方公共団体の実情によってアプローチを変える必要があります。一般的に脱炭素の取り組みは民間企業の方が進んでいることが多いのですが、地方公共団体では区域の社会・経済を担う民間企業における脱炭素をはじめとした新たなサステナビリティ経営方針やビジョンもふまえた有機的な行政施策との連動といったところまで必要となってくるでしょう。一緒になって区域の脱炭素をどう進めていくかという点では官民連携が重要になります」(森山氏)

 地域の目標を実現するためには、民間の努力と公共の努力の方向性を一つにして取り組まなければ間に合わないまでになっているわけだ。

「そうなってくると、目先の排出量の削減だけでなく、交通インフラ、ガス・水道、電話・電気など、生活や産業などの経済活動を支える社会基盤を含めた将来のまちづくりと密接にかかわるテーマになってきます。私たちは、ビジョンづくりから始まり、PPPによる実現可能なスキームの導出も含めて『いつまでに何をすべきか』を整理するお手伝いをします。排出量の可視化をはじめ、具体的な業務にはデジタルテクノロジーも必要。公共でもイノベーションが不可欠なのです。私たちのグループ名に『官民連携イノベーションチーム』と、あえて『イノベーション』と付けた理由もそこにあります」と森山氏が紹介するのにも納得がいく。

03 <みずほ>の
ネットワークを生かし、
官民双方の事業を
一貫してサポート

 官民連携事業のパイオニアとして、同社は着実に実績を積み重ねてきた。多くの地方公共団体や民間企業から高い評価を受けている理由はどこにあるのか。

 その問いに丸山氏は次のように答える。「一つのプロジェクトで質の高い仕事をした結果、次のプロジェクトでもお声がかかることが多いと感じています。例えば、公共セクターの担当者は定期的な異動がありますが、そうした中で、ある部署でスタジアム・アリーナのPPP/PFIの案件を支援したところ、そのご担当者が別の部署でPPP/PFIの案件の担当になり、またご相談いただいたということがありました。PPP/PFI関連以外でも、まちづくりについてどのようなソリューションが提供できるかといった相談を受けることもあります」

 最近ではSXやDXについての引き合いも増えているという。部署は違っても公共セクターが抱える課題は共通しているということだろう。

「当社はトータルソリューションを提供できると標榜しており、公共セクターと民間企業の両方から『こんなことはできますか』と相談されることがよくあります。<みずほ>は、グループに銀行、信託、証券などのプロフェッショナルを擁しているほか、当社にはSXやDXを専門に担う部署もあります。また社外にも弁護士、会計士、建築士などの専門家とのネットワークも有しています。そういった方々とチームを組んでソリューションを提供できるのも当社の強みです」(丸山氏)

 ところで、戦略コンサルタントというと、クライアントの課題の特定や、それに対する戦略立案を描くところのイメージを持つ人が多いかもしれない。官民連携での戦略コンサルに求められるものは何か。

 森山氏は「私たちのクライアントは官民連携を選択肢に課題に取り組もうとされる公共・民間いずれもありますが、まずは相互の事業・サービスの進め方の違いを理解することが必要です。官と民では行政サービスと企業経営におけるミッションの違い、フレームとしての公会計と財務会計の違いがあり、事業の進め方や資金調達等でギャップがあることは確かです」と説明する。

 その上で「ただし、官民問わず全ての事業活動は必ず公益性を有し、その違いは事業ごとに内包される公益性と利益・収益性のバランスと言えるでしょう。このとき事業特性・関係者特性・地域の実情をふまえた事業スキームを導出することが必要です。当社では、自治体や企業の戦略など川上の部分の提案に始まり、計画の策定や実行支援、さらにはモニタリング支援といった川下の部分までお客さまと同じ目線で伴走型の支援を展開しています。絵を書いて終わりではなく、検討フェーズに応じて新たな課題に直面することも想定した実現可能、持続可能な事業スキームを常に意識しています」と付け加える。

 公共セクターや民間企業にとっては頼もしい存在だが、さまざまなステークホルダーとの合意形成など、やらなければならないことも多く、苦労も少なくないだろう。

 森山氏は「もちろん、苦労はあります。前例のないようなスキームで案件を進めることもあります。しかし、自分がゼロから考え提案した内容が実際に形になり、地方公共団体や企業とともに社会をより良いものに変えているという大きなやりがいがあります。案件を一つ経験するごとに、コンサルタントとして成長していることを感じます」と力強く語る。

04 日本の
社会課題の解決に貢献し、
自らも成長していく風土

「VUCAの時代」とも言われるように、将来の予測が難しくなっている。その中にあっても、同社にはコンサルタントして成長できる機会が多そうだ。

 丸山氏は「私は大学院で都市計画・国土計画を専門に研究し、持続可能な国土・地域づくりに貢献したいと考えて当社に入社しました。実際に、官民連携をテーマに国家的プロジェクトから地域活性化プロジェクトまで幅広く手がけています。当社には幅広いテーマあり、手を挙げる人にはチャンスを与えてくれるので、成長したいという意欲ある人には最適だと思います。また、戦略コンサルティング部は『戦略×専門』により、様々な専門家とともに社会課題解決に向けたトータルソリューションの提供や新たな価値創造(イノベーション)に取り組んでいます。自分の専門領域を持ちながら、コンサルタントとして幅広い知識・経験を身に付けることができるのも当社の特色です」と語る。<みずほ>内外の専門家との人脈を構築し、そこから知見を得られるのも同社ならではだろう。

 時代の変化に対応し、公共セクターだけでなく民間企業のニーズにも応えてきたことにも注目したい。

 森山氏は次のように話す。「例として、私はこれまで10以上の空港の経営改革や民営化支援等を通して、航空ネットワークの充実、交流人口拡大等による地域活性化に携わってきました。当初は事例もなく、法の解釈も含め、地域実情をふまえた最適な空港運営のあり方を実現できる空港毎の事業スキーム検討に注力しました。そして、現在では、地球規模の課題への対応として、民営化した空港も含む、空港の脱炭素化に向けた支援も展開しています。大げさではなく、国益としてのわが国の空港のあり方が新たに問われています。空港の脱炭素化も、国、地方公共団体、空港オペレーター、エアライン、そして空港の利用者も含めたその他様々な関係者との連携がなければ実現できません。本テーマでも、未来を見据えた提案をしなければならないと気を引き締めています」

 さらに自身と<みずほ>を重ね、「私の座右の銘は『不易流行(本質を守りながら新しい変化を取り入れること)』です。いつの時代も社会インフラはその土地の方々の思いと社会・経済を考えて作られ、管理・運営されることが重要ですが、それらを取り巻く社会課題やその解決手法は時代とともに変化します。解は一つではありませんが、自分の専門性を磨き、チームの力を高めることでその時点での最適解が出せるはずです」と思いを語り結んだ。

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Interview