THE TIP of CHANGE Mizuho Research & Technologies, Ltd. Special websiteTHE TIP of CHANGE Mizuho Research & Technologies, Ltd. Special website

最先端の専門知見で
再生可能エネルギーの導入を支え
サステナブルな未来の創造に
貢献する

 カーボンニュートラル実現のため、企業は再生可能エネルギーの導入を進めている。しかし、その導入方法は最適なのか。他により適した手法はないのか。お客さまや社会の課題解決に向けて支援するのが、最先端の専門知見を備えるコンサルタント等450名を擁するみずほリサーチ&テクノロジーズのコンサルティング本部である。今回は、再生可能エネルギーを専門とする若手コンサルタント2名に、現在携わっているプロジェクトやコンサルタントとしての在り方について話を聞いた。

01 定量的なリスクの提示が
議論を活性化する

 日本は現在、2020年に発表された「2050年カーボンニュートラル宣言」の下、官民一体となって再生可能エネルギーの導入などに努めている。みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社コンサルティング本部サステナビリティコンサルティング第1部では官民両面に対する支援を行っている。その支援は、再生可能エネルギーが今ほど注目されていなかった90年代、旧富士総合研究所時代に始まり、サステナビリティ分野の研究開発やコンサルティングにおいて積極的に取り組まれてきたものである。

「現在、サステナビリティ分野のコンサルタントは130名を超えており、カーボンニュートラル実現を支援するという私たちの今の仕事は、長い積み重ねの先にあるものだと思っています」

 そう語るのは入社6年目の主任コンサルタント・境澤亮祐氏だ。民間企業のうち電力会社などを対象としたプロジェクトにあたっている。

 日本の電力会社では現在、再生可能エネルギー拡大に向けて新しいステージに立っているという。2012年から実施されている再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)は、太陽光発電施設の普及を後押しし、化石燃料の使用、ひいては二酸化炭素排出量の削減につながった。しかし、それが新たな課題を生んでいるというのだ。

「今後さらなる導入に向けた適地の不足や送電設備の整備などさまざまな課題があります。例えば太陽光発電の導入が進んだ複数の地域では、電力需要が比較的少ない時期の晴れた日中に発電量が増えて過剰になり、有効利用できていないことが問題になっています。過剰発電分を蓄積することができればいいのですが、大規模な蓄電は難しいため、需要を上回って発電される電力を抑制する必要があるのです。電力会社にとっては電力の販売機会の損失であり、こうしたことが続くと、今後、発電設備へ投資した分を回収できるかどうかが危ぶまれます」

 果たしてこれまでの投資を回収できるのか、また、今後どのようなペースで何に投資をしていくべきか。境澤氏はその判断材料を提供している。

「電力需要の増減や、太陽光や風力など再生可能エネルギーの導入量、燃料価格の見通しなど想定したシナリオを元に分析を行い、戦略策定支援しています。シミュレーションに用いる手法は長年、電気工学などの分野で使われてきたものです。これによってリスクを定量的に示すことができ、お客さまへの提案や議論がしやすくなっていると感じています」

 不透明性の高い時代だからこそ、信頼性の高い手法に基づくシミュレーションによる事業リスク評価比較が頼りにされているのだ。

02 政策知見の高さで顧客に
「最適解」を提案する

 一方、入社4年目のコンサルタント・小林将大氏は、電力を消費する民間企業(需要側)を顧客としている。

 企業が再生可能エネルギーを調達するには、大きく分けると「自社で発電設備を設置する」「発電事業者と直接契約を結んで電力を購入する」「小売電気事業者の提供する再エネ電力メニューを利用する」「非化石証書やグリーン電力証書などの再エネ電力証書を購入する」の4つの手法がある。各手法はコスト・評判等の観点で一長一短であり、企業は自社が抱える事情を考慮して、最適なポートフォリオを構成する必要がある。しかしこれは容易なことではない。

「それぞれの手法に一長一短があるだけでなく、これらにまつわる法律や制度は細分化されており複雑で、改定も頻繁に行われるからです。このため、どの組み合わせが最適なのかは常に変わります。私たちは将来にわたってお客さまが最適なポートフォリオを構成できるように、常に最新の情報を調査し提供しています」

 小林氏は、いち早い情報の把握と正しい理解が求められる民間企業(需要側)へのコンサルティングだけでなく、環境省や経済産業省といった国の政策決定の支援も行っている。その経験が、対民間企業での業務に生きているという。

「複雑で頻繁に変わる法律や制度も、その変更に至るまでの経緯を把握しているから理解しやすいという面があります。また、信頼性という点で、私たちが国の仕事をしていることをご評価くださる民間企業のお客さまも多くいらっしゃいます」

 そう話す小林氏は、入社2年目までは民間企業の二酸化炭素排出量の算定およびその支援に専念してきた。新たに再生可能エネルギーのポートフォリオ作成、さらには国の仕事にも関わるようになって、算定支援への向き合い方が変わったと実感している。

「算定の方法はいくつかあるのですが、その選択にあたっては、算定のしやすさだけでなく、削減効果の把握のしやすさへも関心が向くようになりました。また、同じカーボンニュートラルという目標の達成に向けて努力しながらも、国・電気事業者・需要家の利益には相反することもあることも改めて認識できました」

 境澤氏は小林氏の2年先輩にあたるが、今の仕事を“自分の仕事”として意識するようになったのは入社4年目の頃だったという。新人の教育係も務めながら、ある再生可能エネルギー事業者の内包するチャンスとリスクを網羅的に整理するプロジェクトに参加したのだ。

「グループ企業であるみずほ銀行の営業部門や産業調査部のメンバーとも一緒に取り組んだプロジェクトでした。私にとっては、マネジメントなどでより上の視点が求められる仕事でしたが、『この仕事を終えたときには電力の専門家として一皮むけるのではないか』と考え、お客さまへの提案書の作成など、力も時間も精一杯に注ぎました」

 境澤氏の視点を高めることとなったこのプロジェクトは、みずほ銀行との協業によるものである。このような形態で企業の戦略策定・実行支援を提供できるのも、「One Mizuho」の一角を担うみずほリサーチ&テクノロジーズならではないだろうか。

「シミュレーションに基づき再生可能エネルギーに新たな投資をするお客さまに対しては、〈みずほ〉のグループ力を生かしてワンストップで融資まで対応できる強みがあります」と境澤氏は胸を張る。

03 コンサルタントは
前向きで正直であるべき

 境澤氏も小林氏も、みずほリサーチ&テクノロジーズには新卒で入社した。2人とも、大学院修士課程修了後には博士課程に進学することも考えていたそうだ。

 境澤氏の専攻は海洋流体力学だった。

「昔から動物が好きで、高校生の頃は、いずれは人間と動物の共存について研究したいと思っており、その後、大学・大学院ではCCS(Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素回収・貯留)に注目して環境リスクをシミュレーションしていました。博士課程進学も考えましたが、研究者と企業、そして国を橋渡しする仕事の方が向いているのではと、コンサルタントを考えました。候補として、環境系に強いシンクタンクであるみずほ情報総研(当時の社名)が浮かんだのがきっかけです」

 片や小林氏の専攻はフランス経済史(近世から近代)であった。

「研究に近い仕事をしたかったため、畑違いになるのは分かっていましたが、シンクタンクに絞って就職活動をしました。当社からの内定は他社の選考中に出たのですが、採用担当者に『回答は他社の結果を待ってからでいい』と言ってもらえ、度量の広さを感じました」

 境澤氏も「組織的にフラットだという印象は入社前からありましたし、実際にやる気があれば2年目から先輩がバックアップに付く形でプロジェクトリーダーを任されるなど、若手のうちから裁量が大きくて自由度の高い会社です」と頷く。その境澤氏には、忘れられない先輩社員の一言がある。

「先輩に『コンサルタントという仕事は、人だよ』と教えられました。蓄積した専門性を武器とする我々は最終的にこの会社・この人になら安心して相談できると、お客さまに思っていただく必要があるということです。そのために、専門性を身につけるだけでなく、その瞬間に分からないことは『お調べします』、技術的・スケジュール的にできないことは『できません』と言いつつ、その理由やどの範囲であれば実現可能かなど、他の方策を探すべきシーンがあると思っています。求められているのは、前向きかつ正直な姿勢だと聞き、心掛けています」

 小林氏は、カーボンニュートラルの実現だけが自分の仕事のゴールではないと考えている。

「もちろん、環境を守ることは大切です。しかし、環境さえ守れればいいのかというとそうではありません。コンサルタントは、お客さまである企業のビジネスを発展させ、企業価値を高めながら環境も守るべきだからです。国の政策に関わる際にも、どうしたら企業が協力しやすいかという視点は、今後も失わずにいたいと思っています」

 みずほリサーチ&テクノロジーズは高い専門性とプロ意識を武器に、サステナブルな未来へと歩みを進めていく。

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