THE TIP of CHANGE Mizuho Research & Technologies, Ltd. Special website

お客さまと社会に寄り添い、
AIで未来をデザインする
エキスパートたち

 技術の進化は我々の生活やビジネスに絶えず変化を与えている。その中でも、AI(人工知能)技術、とりわけChatGPT™のような生成AI技術の登場は我々の生活やビジネスを変革させる可能性を感じさせるものとなっている。このような状況下、企業はどのようにAI技術に向き合い、活用すべきなのだろうか。また、生成AIを含むAI技術を活用するためにはどのような視点が求められているのだろうか。これらの問いについてAIの研究開発に長年取り組んできた、みずほリサーチ&テクノロジーズ AI Powerhouse®︎の研究開発員に話を聞いた。

01 生成AIの時代における
お客さまの声

「生成AIの登場により、お客さま自身で問題を解決しようとする気運が高まっているように感じています。特にChatGPTを利用し、自分達でプロンプト(AIへの質問や指示のこと)を駆使しながら課題解決を試みようとされるお客さまは多くいらっしゃいます。しかし、このようにAIを積極的に活用しようとしていく中で、どのような業務にどのような形で導入すれば良いのかを、うまく整理できていないケースも見受けられます」と上席研究開発員の相澤祐一氏は語る。

 さらに、主事研究開発員として活動する中で幅広いお客さまの課題を伺う機会が多いという杉浦正子氏によると「最近は“ベテランが退職する前に”自社のデータを活用して、その社員の代わりとしてサポートしてくれるAIが欲しいなど、期限が差し迫った状況でのご相談が増えています。また、人員が不足しているため、単純作業をAIに代替させたい、といった生産性向上に関するご相談も依然として多いです」という。

 2人の言葉から、AI活用に挑戦する企業の悩み、そしてその背景として、少子高齢化や人材不足の日本における企業の喫緊の課題が、ベテランのノウハウ継承や業務効率化であることが伺える。

 そうした状況で、どのようにAIの導入を進めるべきなのか。

「AI Powerhouseでは研究開発員が直接お客さまから話を伺い、業務フローを理解しながら、どのようなデータが存在するのかを把握するところから始めます」相澤氏は、データサイエンス領域でよく用いられるデータ分析のプロセスモデルである『CRISP-DM』をキーワードとして挙げる。

「ビジネスに使うAIを開発するのであれば、ビジネスを理解し、データを理解することが必要だという考え方です。私たちもお客さまがどのようなビジネスをされていて、どのような業務にAIを使いたいのかを把握する必要があります」顧客から話を聞くだけでなく、現場に足を運んで実際の業務フローを確認することもあるという。

「意外に思われるかもしれませんが、多くのお客さまは日ごろの業務フローを可視化されていません。これは、可視化しなくても当たり前にできてしまっているからです」

 ビジネスの理解と並行して進めるのが、データの理解だ。

「まず、どのような質のデータがどのくらいあるのかを把握します。十分なデータがあればそれをもとにモデリングができますが、データがなかったりデータ量が不十分だったりする場合は、データ収集から始めるかどうかの議論が必要です。すべての課題をAIで解決する必要はありません。モデリングに必要なデータがなかったとしても、『この場合はこう、この場合はこう』といったルールを作ることで、本来の目的を達成できることもあります」(相澤氏)

 このようにAI Powerhouseでは顧客業務の理解、そして顧客との仮説設定やデータ観察を大切にしている。なぜなら、顧客にとってAIの利用は最適な解決策とは限らず、場合によっては他のアプローチとなるケースもあるからだ。つまり、顧客の課題に対して「AIを使わない」解決策を提案することもあるのだ。課題解決のために最適な手段を選定するという考え方は、みずほリサーチ&テクノロジーズに根付いている。

 一方で漠然と”AIで何かをしたい”と考える企業の担当者も多くいる。杉浦氏は「お客さまにとっては当然の声なのではないか」と言う。

「AIは難しい用語も多く、中身を理解するのが難しい、そして100%正解はしてくれない、そんなイメージがあるのでは。一方で、さまざまな媒体で成功事例が報じられる中、『自分達の会社でも何かに使えるのではないか』と、具体的なイメージがないままAIが利用できると思い込んでしまうことがあるのです」

 そのため、みずほリサーチ&テクノロジーズでは展示会を活用し、さまざまなAIを活用したコンテンツを出展しながら具体的な活用事例について来場者との対話を行っている。

「このような展示会において、我々に寄せられるご相談として、AIのパッケージを導入したものの、上手く活用できていないという声が非常に多いです。我々はそういったお悩みに答える、お客さまの課題に最適なAIを提案しています」と杉浦氏は言う。

展示会で公開したAI活用事例の一つ。アバターとの対話型鑑賞ができる「はなせる美術館」

 杉浦氏の役割は、まず顧客の課題を正確に把握し、それを社内の適切な専門家に繋げる。みずほリサーチ&テクノロジーズには、金融・経済分野、社会保障分野、環境・エネルギー分野など、多様な専門性を持った部署が存在し、その総合力が武器となる。そのため、もともと“AIで”といった顧客からの相談に対し、どのようにプロジェクトチームを創り上げていくのか、VUCAの時代のなかで、杉浦氏の組成する力が重要になっている。

02 蓄積された技術力と
豊富な経験に裏付けされた
提案力

 みずほリサーチ&テクノロジーズの研究開発部門は、数十年、大学や研究機関に対して、情報通信技術の研究開発支援を行ってきた。長年手掛けてきている画像認識の技術は、ジェフェリー・ヒントンが提案したディープラーニングにも関わる、AIの根幹である。また、画像処理だけでなく、自然言語処理、音響・音声解析、シミュレーション・最適化など、幅広い分野を手掛ける。それゆえに、同社の豊富な経験に基づく細やかな助言、他社では提案できなかったような選択肢の提案力や、解決策の実現力には、定評がある。

 AI技術が進化し続ける中で、企業が目指すべきは、AIを単なるツールとして導入するだけではなく、目的に立ち返って、課題とデータに立脚した、最適なAIを創っていくことなのであろう。その際、みずほリサーチ&テクノロジーズのように、自社企業の課題を深く理解しながら、伴走をしてくれるパートナーがますます必要になってくるのかもしれない。

【研究開発員紹介】

相澤 祐一氏(上席研究開発員)
 音楽の設計理論や自動作曲に関する研究から、システム・AI開発に興味を持ち入社。
「ある絵画の描き手が人間であるかAIであるかによって、鑑賞する人の抱く感想がどのように変わるのか、興味があります。『AIが描いた』という事実を聞いて、感想が変わるのなら、そこには『人間ならば○○であるべき』という“人間観”が潜在的にあることになるのではないかと思っています」とのこと。

 人間観、AI観を理解することにより、例えば、人間とAIが協働する組織の設計理論にも応用できるのではないかと考えている。「どのようなAIが人間からいい相棒だと思われたり、チームに足りないものを補う存在だと思ってもらえたりするのか、という問いに答えるような、組織の設計理論が次のチャレンジです」と語る。

杉浦 正子氏(主事研究開発員)
 学生時代は農学部で生命科学を専攻。シンクタンクに興味を持ち入社。
システムエンジニアとしてキャリアを積み始め、人事・給与計算システムの開発・保守やコンサルティング部門も経験した後、やはり自分は人と話すのが好きであることを再認識。お客さまのニーズを聞き、それに応えていくことへのやりがいから、希望して営業に転じた。今では、顧客企業の相談に対して、エキスパートをどのように組み合わせてチームを練り上げるか、総合力の要を担う。

※ChatGPTは、米OpenAI OpCo, LLCの登録商標です。
※AI Powerhouseは、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社の登録商標です。

<PR>
Interview