新型コロナウイルス感染症の発生により、テレワークの普及が急速に実現し、交通費などのコストカットや移動時間の削減、利便性向上というメリットが得られた一方、今各企業は労働者環境の変化にともなって生じた、新たな課題への対応を迫られています。
職場を共有しないことから生まれた個々の社員たちの孤立感、同僚たちとの一体感の欠如、労働している姿が見えない状況で正確な人事評価をすることの難しさ、部下が抱えるストレスや心身の不調を上司が把握しづらい現状など、様々な課題が浮き彫りとなっています。
一連の問題に向き合い、改善の道を探るために、健康管理システム「Carely」の開発・運営で知られる株式会社iCARE 代表取締役CEOの山田洋太氏は、長年クラウドベースのグループウェアで職場のチームワーク向上を支援してきたサイボウズ株式会社(以下、サイボウズ)の代表取締役社長で、近年では働き方改革の先駆者と評されることも多い青野慶久氏をゲストに迎えて、トークセッションを行いました。
従業員の健康データを活用して働きがいのある職場創りを支援する「Carely」は、アナログでバラバラに保管されている健康情報のDXを推進する健康管理システムとして、産業医・保健師といった専門職に限らず、人事や経営者にとっても扱いやすいという評価を勝ち取ってきました。一方のサイボウズは、「サイボウズ Office」「kintone」など、社員の労働状況をデータ化し、クラウド上で管理・活用する複数のサービスの運営・開発をメインとしてきた、まさに業界のトップランナーです。
山田氏によれば、社員のストレスチェックデータを複数の企業と比較してみたところ、サイボウズでは抜群の結果が得られていたそうです。本トークセッションでは、そんなサイボウズを「個々の社員が自立した組織」と分析・評価している山田氏が、JBpressの読者から寄せられた各職場のリアルな声を取り上げ、リモートワーク移行後にサイボウズが直面した企業としての課題とその対処方法、特にチームワーク向上の具体策、評価制度のあり方、データの活用法と今後などについて、青野氏に聞いています。
20分のうち、前半10分はテレワーク後に起きた変化と新たな社内コミュニケーションの取り方、後半10分は効率よい社員の管理方法とデータ利用の今後などについてのお話しです。