簡単にアンケートを作成できるツール。70以上のアンケートテンプレート、100以上の質問データベースがあり、面倒な設問設計の手間が省ける。作ったアンケートは、そのままウェブ上に設置したり、メールやSNSで呼びかけたりするなど、様々な方法で告知できる。集計も簡単で好きな色やグラフにカスタマイズ可能。集計画面がそのままプレゼンテーションに使える。
マクロミルが提供するセルフアンケートツール「クエスタント」は回答者の思いを汲み取るコミュニケーションツールでもある。CS調査から応募フォームまで4つの活用術を紹介する。



調査会社のマクロミルが提供するセルフアンケートツール「クエスタント」は、利用者のアイデア次第で多彩な使い方ができる(詳しくは「Part1 今、企業が続々と導入している「セルフアンケート」とは?」を参照) 。
利用事例が多いのは顧客満足度調査(CS調査)で飲食店や販売店、ウェブサービスなどが顧客の声を集めて商品やサービス改善に役立てている。
「でもそれだけではありません。メールに近いコミュニケーショーンツールとして使われているケースも多い。社内の声を集めたり、研修やセミナーの理解度テストに利用したり、応募フォームを兼ねたアンケートを作成している例もあります」と中野崇氏。
「例えば社内旅行の候補地アンケートは質問を作るほうも答えるほうも楽しいし、参加意識も高められる。もっとカジュアルな使い方として弊社では、バレンタインデーの義理チョコに『クエスタント』で集計した上司の人気ランキングを添えて配っています。上司としてはうれしくもあり怖くもある義理チョコですが、同時に良い上司であるためのモチベーションにもなります」
世の中には情報があふれていて、それらは複雑に繋がっている。その中で正解を見つける作業は大変だが「クエスタント」によって数字的な根拠が得られれば決断がしやすくなる。「アンケート結果が常に正しい方向を示すわけではありませんが、数字というエビデンスによって、会議を先へ進ませることができるでしょう」。
「クエスタント」には約70種類のテンプレートが用意されており、アンケート作りは簡単。だからすべてのビジネスパーソンが、それぞれのシーンで役立てることができるはずだ。



[+]画像拡大 顧客満足度調査(CS調査)にはこれまで紙が使われることが多かった。例えば飲食店のテーブルに置かれている「お客様相談室行き」のハガキ。利用者は該当箇所にマルをつけてポストに投函する。お客様相談室ではハガキの各項目を集計して問題点を明らかにする。顧客の声を聞きたいという姿勢は素晴らしいが、利用者の立場ではハガキに書いて投函するのが面倒、経営者はコストをかけずに効率よく多くの顧客の声を集めたいと考える。
そこでハガキを「クエスタント」に置き換えると、利用者はスマートフォンでアクセス(QRコードで誘導できる)して質問に答えて送信するだけ。お客様相談室は自動集計された結果を経営者に示すだけ。集計に時間がかからず、コストをかけずに旬の情報が入手できる。



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社内の声を聞く機会は意外に多い。また社員を対象にすることで秘密保持もしやすくなる。
ここでは新製品開発を例に取ろう。開発担当者レベルでA案、B案、C案、D案に絞り込むことができた。「キックオフ・ミーティング」で4案を提示してもいいが、選択肢が多いと議論に時間を取られる。かといってこの段階で社外のターゲット層に意見を求めることもできない。そこで「クエスタント」を使って社内アンケートを実施、人気の高かったA案、B案を採用し叩き台として提示。おかげでターゲット層に支持されない可能性の高いC案、D案の議論の時間が節約できた……。
「クエスタント」には無料版があり、有料版も従量制ではないので、どれだけ利用しても追加コストがかからない。そこで社内研修の理解度テストのような使い方が考えられ、社内イベントで何をやるかというような半分仕事、半分プライベートのような事柄で意見を求めるケースでも気軽に使える。


[+]画像拡大 「クエスタント」を使ってセミナーやイベントの参加者に感想を聞く――これは基本的な使い方。「クエスタント」を使えば講習内容やプレゼン内容の満足度や理解度を、参加者に簡単に聞くことができる。次回開催に向けて、有用な感想が集められるだろう。
しかしアンケートは終了後に取ると決まっているわけではない。質問が簡単に作れる、集計が自動的にできるという「クエスタント」の特徴を生かすことで、セミナーやイベントの途中で参加者の意見や感想を集めることができる。
そこで1日セミナーであれば午前中の終了時点で参加者の意見を聞き「座学の時間が多すぎる」という感想が集まれば、午後はワークショップの時間を増やすというように、セミナーの効果を高めるような修正がその場でできる。
アンケートにリアルタイム性をもたせたことで主催者と参加者がコミュニケーションを取る――そんな使い方ができるのも「クエスタント」の特徴だ。

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[+]画像拡大 アンケートは匿名と考えがちだが、もちろん記名でもいい。どこの誰が答えたのかがわかり、意思表示もできるということは、「クエスタント」を応募フォームとして使ってもいい。
例えば、ある金融機関のHPに「資産運用セミナー参加者募集」という告知を載せたとする。告知は「クエスタント」と連動しており、応募者は参加の意思表明をすると共に、「このセミナーでより詳しく知りたいテーマは何ですか?」といったアンケートに答える。
退職金の運用方法を詳しく知りたいという答えが多ければ、それをテーマの1つに盛り込み深く掘り下げることで満足度の高いセミナーが実施できる。アンケートだけでなく、クエスタントを自由な発想で使うことができる。
そこで気になるのがセキュリティだ。応募フォームでは住所氏名等の個人情報を書いてもらうことになるが、さまざまな情報を扱う調査会社のマクロミルが作った「クエスタント」だけに安心感は高い。
「クエスタント」は簡単なCS調査に利用しています。時間を掛けて入念に調査する場合は通常の調査の仕組み、短時間でアンケートを作ってお客様の意見を集めるというケースでは「クエスタント」というように使い分けています。
以前は簡易システムやエクセル・紙でアンケートを作っていたため、手作業による回答作成や集計が必要でした。そのため実施には手間も時間も必要でしたが、「クエスタント」に変えてからは担当者が私たちシステム部門の手を借りずにアンケートを作り、すぐに集計してレポーティングできるようになりました。集計と報告書の部分は劇的に変わりました。
[+]画像拡大自社のロゴやイメージカラーに変えるなどカスタマイズできるので、自社のオリジナルコンテンツとして掲出できるのも魅力。
利用頻度はまだ月2、3本ですが、いずれ年間100本程度まで広げる予定です。定額制で使えるためいろいろな場面で使えそうです。そしてなによりも調査会社のサービスなのでセキュリティが高い。この点も「クエスタント」を利用する大きな理由になっています。