
2013年を代表する流行語「アベノミクス」をきっかけに日本経済は回復しそうな気配を見せつつあるものの、これからどうなるかは誰にもわからない。そんななか、円高から円安へとトレンドが転換していることに注目し、外貨を安く買って高く売る「為替差益」をねらう運用を考えている人は少なくないだろう。しかしその一方で、「外貨投資に興味はあるけど、まとまったお金がないから…」「いつ買ったらいいのか、始めるタイミングがわからない…」と最初の一歩をなかなか踏み出せない人も多いはず。そんな人たちのために、ソニー銀行が新たなサービスをスタートした。それが、ワンコインから始められる「外貨預金の積立購入」だ。
1つ目は、500円から積み立てを始められること。外貨預金の積立購入は、円から定期的に外貨を購入し積み立てるサービス。ソニー銀行調べでは、500円の設定は国内金融機関で最少額という。無理なく自分のペースで少しずつ購入できるので、初めての人も気軽に始めることができる。少額設定のメリットはほかにもある。たとえば予算が月1万円の場合、米ドル5,000円、ユーロ3,000円、豪ドル1,500円、人民元(CNH)500円のようにさまざまな通貨に分けて積み立てできるのだ。あまりなじみのない新興国通貨もワンコインならチャレンジしやすいだろう。
2つ目は、毎月、毎週、毎日など積み立て日を自由に設定できること。月1回まとめて購入してもよいし、毎日少しずつ貯めるのもよい。この機能を利用すれば、自分の好きなタイミングで時間を分散して積み立てを実践することが可能だ。積立購入は、一度にまとめて買い付けをする通常の購入方法とは異なり、時間の分散により購入レートを平準化できる利点がある。いわゆる「ドルコスト平均法」と呼ばれる投資方法で、指定した日に決まった額の円で購入することで、外貨が安いとき(=円高)には多く、高いとき(=円安)には少なく買うことができ、平均買い付け価格を下げる効果が期待できる。購入設定を「毎日」にすれば、そのメリットを最大限に生かすことができるだろう。積み立て日を一度決めれば、そのあとは購入の時期に頭を悩ませる必要がないため、マーケットの動きに慣れていない初心者にとっても挑戦しやすい。
3つ目は、12通貨で取引可能なこと。米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、ニュージーランドドル、カナダドル、スイスフラン、香港ドル、ブラジルレアル、人民元(CNH)、南アフリカランド、スウェーデンクローナという豊富なラインアップが用意されている。利用者は、先進国から新興国まで豊富な選択肢から積み立て通貨を選択できる。
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米ドル世界最大の取引量を誇る基軸通貨。国内にいながら入手できる情報も豊富で、初心者にも最適 |
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ユーロ取引量で米ドルに次ぐ第二の基軸通貨で、同じく情報入手が比較的容易。米ドルと逆の動きをすることが多いとされる |
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英ポンド値動きが激しく、短期売買派のトレーダーに根強い人気。ユーロに不安材料が出た際は逃避先として買われることも |
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豪ドル資源国だけにコモディティ価格、金価格と強い相関がある。先進国中、屈指の高金利も魅力 |
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NZドル豪ドルとともに金利が高い先進国通貨で、値動きも豪ドルと連動しやすい傾向が |
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カナダドル資源に恵まれるためコモディティ価格の影響を受けやすいが、米ドルとも強い相関関係 |
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スイスフラン国際的信用力の高い安全通貨として知られ、有事の際に資金の逃避先として人気化する傾向も |
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香港ドル米ドル・ペッグ制を採用する、安定した通貨とされている。人民元とも連動する側面も |
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ブラジルレアル金利が高い資源国通貨。サッカーW杯、リオ五輪など大イベントを控え、注目度は高い |
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人民元(CNH)「管理変動相場制」だが、取引の自由化が徐々に進行。中国経済の成長とともに、近年は存在感を増す一方 |
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南アランド経済成長著しく、比較的金利が高い新興国通貨。資源価格の影響を大きく受けやすい |
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スウェーデンクローナ欧州景気に左右されやすく、値動きもユーロと似た動きをしやすい特徴が |