東京の地下鉄車両内に化学兵器のサリンが撒かれ、14人が死亡し、6000人以上の負傷者を出した地下鉄サリン事件から3月20日で30年になる。それまでの想像をはるかに超える未曾有の無差別大量殺戮テロ事件に、日本国内はおろか、世界中が恐怖した。 だが、当時の模様を振り返ってみると、死者数はもっと増え、被害はさらに甚大なものに及んでいた可能性も否定できない。そこには、事件を引き起こしたオウム真理教という組織の、いわば「思いつき」と「場当たり的」な体質が潜んでいる。 事件は3月20日の朝8時過ぎに発生した。東京都内を走る東京メトロ(当時は「帝都高速度交通営団」)の日比谷線の双方向、丸の内線の双方向、それ