シンガポールの豪華なチャンギ国際空港から1マイルも離れていないところに、あまりぱっとしない工業団地がある。進出しているのは運送会社や物流会社で、銀行の事務センターもいくつかある。 しかし、一風変わったビルも1棟建っている。 正面がつやのある漆黒で、幾重にも及ぶセキュリティーチェックと堂々とした鉄の扉を何枚かくぐり抜けた奥に、金や銀など計10億ドルを超える宝物が鎮座しているのだ。「ザ・リザーブ(蓄えの意)」という名前がついたビルは、数十の貸し切り金庫室、数千の貸金庫、そして地上3階建ての高さの棚に貴金属をずらりと並べられる巨大な貯蔵室を備えている。 4年に及んだ改修工事はほぼ完了した。これ以上な