松岡由機はこれまでに二度、野球をやめている。正確に言えば、中断した期間がある。 一度目は、中学受験に挑んだ小学校6年の時。早くから家族で話し合い、私立中学の受験を決めていた。進学塾に通い受験勉強に専念するため、多くの中学受験組がそうするように、野球をやめざるを得なかった。 思いのほか、松岡はサバサバとしていた。「その選択がもし今だったらすごく悩んだと思いますけど、その時はさほど苦しさを感じることもなかったですね。野球よりも勉強をしているほうが自分には合っている気がしたし、こっちのほうが得意分野という手応えが自分の中にありましたから」 栃木県で生まれた松岡は、父親が転勤族だったことから、小学校1