日本ではウクライナ侵攻を受け、日本の防衛力の強化の必要性が改めて議論され、敵基地反撃(攻撃)能力を保有することが必要だという閣議決定がなされたことは記憶に新しい。 2022年12月には、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の三文書が策定された。国家安全保障戦略が最上位の政策文書とされ、その下にこれまでの防衛計画の大綱にあたる国家防衛戦略が置かれているが、この中で、ロシアによるウクライナ侵攻の例が防衛上の課題として挙げられている。 そこで指摘されている課題、すなわちウクライナ侵攻の教訓とは、ウクライナがロシアによる侵攻を抑止するための十分な能力を保有していなかったことであるとされる。そ