米ワシントンの木を見て森を見ない愚かさの一例がここにある。 倫理規定を恐れる連邦政府の職員は、額がどれほど小さくても、ランチ代以外の費用を割り勘にする。 一方で、米最高裁判所の判事は母親の家を含めて何百万ドルもの贈り物ともてなしを受けながら、その事実を開示せずに済むと感じている。 しかも贈り物や便宜が明らかな思惑を抱く大口献金者からのものであるにもかかわらず、だ。 米国の最高裁から終身制の判事を罷免するのはほぼ不可能だ。一体誰が裁判官を裁こうとするだろうか。 何の責任も問われない最高裁以上に米国の民主主義の脆さを見事にとらえるものはない。 庶民は国の議員を罵り、大統領に架空の生卵を投げつけ、メ