世界最大級の規模を誇るパリのルーヴル美術館には、あの「モナリザ」をはじめ、数多くの名画が展示・所蔵されているが、その中でひときわ目を引く大作がある。 それが横9.79m・縦6.21mもの巨大な歴史画、「ナポレオン一世の戴冠式」だ。 一介の軍人からフランス皇帝までのし上がった“英雄”、ナポレオン・ボナパルトが、国家の独裁的頂点に君臨する瞬間を描き、画面から伝わる荘厳な迫力は、今も色あせてはいない。 しかし、「ナポレオン一世の戴冠式」と呼ばれているものの、この絵画はナポレオンが王冠を被る場面ではない。なんと妻のジョセフィーヌに冠を授けている場面を切り取っているのだ。 戴冠式とは、その言葉の通り冠を