鉄道は使われなくなると、あっという間に荒れていきます。調査に訪れた地域のみなさんは、口をそろえて「大変なのは草むしり」とおっしゃっていました。 雑草はすぐに伸び、景観が悪くなります。見通しが悪くなって獣や虫が出やすくなり、周辺の畑に被害が及ぶということもあります。 こうした状況に立たされて動き出したのが、廃線区間にあった三河広瀬駅の近くに住む人たちでした。「通学で慣れ親しんだ景色を取り戻したい」。集まった方々には、生まれ育った地域に対するそんな思いがありました。 予算は自治体が創設した補助制度を活用しました。住民らで「広瀬愛護会」という自治組織をつくり、公的な補助に手を挙げたのです。 合併によ