嘉永6年(1853)6月3日、ペリー艦隊は浦賀に入港した。今年でちょうど、170年である。幕末がいつから始まったかについては、諸説あるものの、幕末の動乱の幕が切って落とされたのは、ペリー来航を起点としても異論はなかろう。 ペリー来航によって、教科書的に言えば、日本は砲艦外交にさらされて、なす術もなくその武力の前に沈黙し、日米和親条約を結ばざるを得なかった。これによって、日本は開国したとされている。果たして、その時点で日本は本当に開国したのだろうか。そもそも、アメリカはなぜ日本の開国を欲していたのだろうか。 今回は3回にわたって、こうした疑問に答えながら、170年前のペリー来航の意義、そして日米