岸田政権の目玉は「異次元の少子化対策」である。その具体策として児童手当の拡大、出産費用の公的保険適用、給付型奨学金の対象拡大などが挙げられているが、どれも「異次元」ではない。旧態依然のバラマキ福祉である。 これが今まで長期にわたって検討されながら進まなかった最大の原因は財源である。社会保障の財源としては社会保険料をあてることが原則だが、その赤字を消費税で補填してきた。しかしその増税に反発が大きいため、社会保障会計の赤字がふくらんで、にっちもさっちも行かなくなった。それを今度はどう打開するのだろうか。 そもそも少子化の何が問題なのだろうか。確かに人口が減るとGDP(国内総生産)は減るが、一人当た