私は子供の頃から鉄道好きで、いわゆる“鉄ちゃん”のはしりだった。60年代始めのことだ。 その頃の国鉄の列車は色とりどりで、東京と九州を結ぶ路線では、特急寝台の「はやぶさ」、「あさかぜ」、寝台急行の「雲仙」など、多くの魅力的な列車が走っていた。機関車に牽引されてホームに滑り込んできたそれらのブルートレインに心を躍らせ、おもちゃのようなカメラを手に、夢中になって写真を撮る。当時の夢はブルートレインの機関士になることだった。そんな少年たちがホームで列車を待つ。その傍らを「え~弁当~、弁当~」と、駅弁売りが通り過ぎて行った。 さて、こうして多くの子供たちの夢と憧れを乗せて走った国鉄の歴史の中で、大きな