金融市場には、依然として「次に出てくる悪材料は何か」という雰囲気が漂っており、システミックリスクが完全に払拭されたとは言えない。3月に入ってからは毎週のように危ない金融機関の名前が入れ代わり立ち代わり浮上し、その不安が報じられている。その中で、基礎的経済指標のチェックがやや疎かになっているように感じられる。 中央銀行の対応を振り返っても、シリコンバレー銀行(SVB)破綻が報じられる直前まで、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での+50bpの利上げ幅再拡大が示唆されていた。欧州大手金融機関が救済買収される最中でも、欧州中央銀行(ECB)は宣言通り、+50bpの利上げに踏み切った。 中央銀行は