2015年の暮れ近い穏やかな日に、一瞬、時計の針を戻してみよう。サウジアラビアとイランの間に最後に外交関係があった頃のことだ。 両国はシリアで対立し、バシャル・アサド大統領に対する内戦で敵対関係にある勢力をそれぞれ後押ししていた。 領土の大部分がシーア派武装組織フーシ派の手に落ちていたイエメンでも対立していた。 イランは、サウジの警察がジェッダの空港でイラン人の若い女性巡礼者たちに性的暴行を加えたとの報道に激怒していた。 さらにその4年前には、駐米サウジ大使をワシントンで暗殺する計画を練っていたとの理由で、米国がイランを非難していた。 翌2016年になって2日目に、サウジアラビアは反体制派のシ