自衛官にとって憲法は特別な存在である。自衛隊に入隊する際に読み上げる服務宣誓でも「私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し・・・」と憲法遵守を誓う。 そして憲法は、自衛官にとって悩ましい存在でもある。「武力の放棄」を謳う憲法第9条を理由に、自衛隊を「憲法違反」と批判する声は嫌でも耳に入ってくる。2015年6月30日に朝日新聞社が行った調査によると、自衛隊を違憲と考える憲法学者は63%に上るという。 憲法を遵守した上で命がけの任務遂行が求められる一方で、その憲法は自らの存在を否定しているのであれば、自衛隊ほど矛盾に満ちた組織はな