2023年の春闘は3月15日に集中回答日を迎えた。自動車総連、電機連合、JAM(ものづくり産業労働組合)、基幹労連、全電線の5つの産業別労働組合より構成される金属労協が、製造業の大手企業におけるベースアップの要求・回答状況を取りまとめている。 近年の春闘交渉を振り返ると、ベアを要求した組合の比率は72%(39/54)にとどまるなど、2021年に組合側がベアを要求する動きが一時的に縮小した。組合側が交渉材料として重視する消費者物価上昇率が低位だったほか、コロナ禍後の業績悪化により、自動車や造船重機等の業種でベア要求を見送る動きが広がったためだ。 だが、2022年および2023年の春闘交渉では、組