「お母さん、最近、尹錫悦が悪口言われまくってるけど、韓国はまた日本に負けるの?」 3月某日、春の訪れには少し早いが、韓国は一足先に新学期が始まった。 朝の7時に家を出るときはまだ寒いが、3本線のロングダウンコートに別れを告げて、長男は高校2年生になった。 新しい担任は面倒見がよさそうな30代の男性教員ということだ。お気に入りだった化学の女性教員が自分の学年の担当になったんだと、ニコニコしながら話す。マドンナ先生がいるのも男子校あるあるで、かわいいものだ。 その日は、塾に行く前に一度、家に帰ってきた。2年生になったので、始まる時間が1時間遅くなったのだという。そうなると塾が終わるのは夜の10時だ。