65歳の定年で会社を辞めて、とりあえず社会から降りる。もう毎朝、起きて、通勤電車で揉まれて、会社に行かなくてもいいのだ。 最大の収穫は、時間のしばりから解放されて、なにもしなくていい自由が手に入ることである。 朝、そのまま寝てもいいし、ゆっくり新聞を読んでもいいし、まったく見たこともないテレビ小説を見るのも自由だ。 しかし実際には、多くの人にとっては、なにかをしなければならないというしばりからも自由な、なにもしない自由のほうがうれしいだろう。 ところが定年を間近に控えた人が考えることは、「会社を辞めたら、おれはなにをするかなあ」ということらしい。「なにもしなくてもいいんだ」という選択肢は最初か