「女として需要があるのか確かめたくて……」 2022年11月、都内のタイ料理店で向かいに座ったマナミさん(仮名)は、こうつぶやいた。経済用語でも用いられる「需要」を選んだあたりに、52歳だという彼女の切迫感を感じる。どう返事をすればいいのか迷った僕は、タイで定番のシンハービールを一口すすった。 ディープなセリフを聞いたが、マナミさんと僕は長い付き合いがあるわけではない。それどころか、この日が全くの初対面だ。 既婚者も登録できる出会い系サイトでマッチングし、お互い訪問歴があるタイの話を3回ほどネット上でやり取りした。そのうえで、僕から「タイ料理でも、是非、ご一緒しましょう」と声をかけると、「オスス