東大野球部で入学当時はグラウンドの練習に入れてもらうこともできなかった守屋だが、地道な努力でAチーム入りを勝ち取ったのが3年生の春。「そこ(Aチーム)を目指していたのですが、いざ辿り着いてみると、そこからの上方修正ができませんでした」 守屋はそう振り返る。もしベンチ入りを果たしても、試合に出場することはできない。守屋のポジションであるキャッチャーには、松岡泰希という絶対的な存在がいたからだ。 彼らが2年時から指揮を執る井手峻監督が、松岡を中心とするチーム編成を考えていることは、すぐに察することができた。 一学年上の主将で前年まで正捕手だった大音(おおと)周平をサードに回し、松岡を正捕手に据えた