ロシア中央銀行が1月17日に公表した2022年の経常収支は2774億米ドルと、過去最高を記録した。黒字額は前年から86%の増加である(図表1)。経常収支の黒字幅が拡大した最大の理由は、財・サービス収支の黒字幅が拡大したことにある。2022年の財・サービス収支は前年から66%増加し、2823億米ドルになった。【図表1 ロシアの経常収支】 ロシアは2022年1月分を最後に通関統計の公表を停止している。そのため、ロシア中銀が公表する国際収支統計も、「財・サービス収支」というかたちでの公表にとどまっている。とはいえ、これまでサービス収支は300億米ドル前後の赤字が定着していたことを考えれば、2022年
過去最高を記録したロシアの経常黒字だが、国力が復活したわけでは決してない
前年比で86%増加した経常収支の黒字が映し出すロシア経済の構造変化
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