わが国でマンションの分譲が始まったのは1960年代からで、1970年代以降に本格化した。その頃に竣工したマンションは築50年が経過しているため、老朽化が進み、建て替えの適齢期に差し掛かっている。 だが、建て替えといってもスムーズにいかない現実がある。このまま放置すれば、ますます老朽化が進み、居住性が悪化するばかりか資産価値は低下する一方だ。 建築基準法が改正されて、現在の新耐震基準が施行されたのは1981年(昭和56年)。この新基準に基づいて建設された住宅なら、原則的に「震度7」の大規模地震でも倒壊しないことが条件になっているため、ひとまず安心だ。 だが、国土交通省によると、その新耐震基準に合