三畳紀後期、つまり2億2000万年前に生きた最古の哺乳類といわれているアデロバシレウス。体長10センチ足らずのネズミに似たアデロバシレウスにとって、4億4000万年前から出現している昆虫は、格好の餌でした。私たち人類の遠い祖先は、これ以来、昆虫を食べ続けてきたのです。 私たちの祖先の脳を飛躍的に進化させる大きな出来事がありました。それは7000万年後のジュラ紀後期に、恐竜に追われて夜行性となった体長10〜15cmほどの哺乳類ラオレステスです。夜の行動を可能としたのは〝聴力と内温性〟の獲得だと言われています。 冷たい夜間でも採餌活動が可能となり、暗闇で昆虫を捕るための聴覚と指先の器用さが養われま