かつてヨーロッパは世界の頭脳であり、パリは世界の文化の首都だった。あらゆる芸術家たちはパリで成功することを夢見、パリこそが最先端の流行の発信源だった。 クラシック音楽においても、それは同じである。 オペラの中心、それはウィーンやミラノやロンドンもそうかもしれないが、何よりもパリで成功することこそが、作曲家たちにとっての最高の名誉の証しだった。 あのヴェルディやワーグナーでさえ、フランス語によるバレエの場面を含む形でのオペラを上演している。パリの誘惑には抗しきれなかった。 その象徴が、パリ・オペラ座である。 アーティゾン美術館で開催されている「パリ・オペラ座—響き合う芸術の殿堂」展(2023年2
栄光と退廃、パリ・オペラ座とはいかなる場所だったのか
林田直樹の劇場から覗く世界(4)19世紀のパリを彩ったグランド・オペラ
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