2022年の世界を振り返ると、最大の出来事はウクライナ戦争である。それは、従来の価値観を根底から覆し、歴史の転換点となってしまった。 私は、ヨーロッパを専門とする学者として、ロシアとの相互依存関係が平和をもたらすという主張を展開してきたが、その立論を打ち砕くようなプーチン大統領の暴挙に遭った。 現代の世界では、いずれの国も自給自足の経済運営をすることは不可能である。数多くの国と貿易をすることによって、国民のニーズを満たし、生活水準を向上させていくのである。 第二次世界大戦に至る経緯を見ると、政治的意見の相違がブロック経済化をもたらし、それが更なる対立を生むという悪循環を生んだ。自由で開かれた国