日本と米国が戦後60年間にわたって演じてきたシーソーゲームは、1990年前後に大きな変節点を迎えた。米国の強さ復活、日本の凋落と停滞。日本がすっかり落ち込んでしまった後半30年間が始まったのである。 米国が急に強くなったのではなく、まず日本が先に、自らの経済破綻で自壊した。バブルの狂想曲を演じ、多くの企業が国際競争力を失った。米国企業が「劇的変革」を狙い始めたまさにその時期に、日本は逆にしゃがみ込んだ。その明暗が、シーソーの逆転に凄まじい勢いをつけた。 ちょうどその頃、「事業革新のメガトレンド」に新たな大きな「潮流」が加わってくる。IT技術の台頭である。米軍の中で使われていたインターネット技術