気候変動問題を巡る動きが世界中で活発になっている。台風や豪雨などの極端な気象現象による災害の激甚化・頻発化をはじめ、南極やグリーンランドの氷床の融解による海面水位の上昇、干ばつの発生など、地球温暖化によるさまざまな影響が出始めている。 先ごろエジプトのシャルムエルシェイクで開催されたCOP27(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)では、世界平均気温を産業革命前(1850~1900年平均)に比べて、1.5℃に抑えるという目標に向けて、温暖化ガスの削減目標の強化と実施を進めることが確認された。 この1.5℃目標。わずか1.5℃という気もするが、そもそもなぜ世界中で1.5℃の上昇に抑えることに