わが国のインフレ率は、10月に3%を上回り、日本銀行がターゲットにしていた2%を大きく上回っている。本来ならば、米国や英国のように利上げに舵を切ってもよい頃合いだが、今のところその気配は見えない。 確かに、米国とわが国のインフレ率の水準は大きく異なるため、事情は異なる。しかし、金利差に着目して、一時的に円相場(対米ドル)は150円前後まで下落するなど、わが国の金融緩和政策の継続が、金融市場の不本意な変動を生み出しているとの声が高まっているのも、また現実である。 わが国の短期金利(コールレート)の基準となる政策金利(日本銀行当座預金の超過準備に対する金利)は、2016年1月以降、マイナス0.1%