冒頭の写真は、JR飯山線信濃平駅(しなのたいら、長野県飯山市)の駅舎なのだが、なにか別のものに見えないだろうか? そう、貨車(貨物を運ぶ鉄道車両)だ。昭和の時代には、いくつもの貨車が連結された長い貨物列車がよく走っていたが、最近はほとんど見かけなくなった。姿を消した貨車のいくつかは、こうして駅舎として利用されているのだ。 このように貨車を改造した駅舎を「ダルマ駅」と呼ぶことがある。貨車から車輪や連結器などを取り外し車体だけになった様子が、手足のない置物のだるまに似ているからだ。 この、情緒あふれるダルマ駅だが、残念なことに姿を消していっている。消えゆくダルマ駅の現状と今後を前後編でお伝えする。