転落は急激だった。 つい2週間前まで、サム・バンクマン・フリード氏は我が世の春を謳歌していた。その時点で業界第3位の規模を誇った暗号資産(仮想通貨)交換事業者FTXトレーディングは、320億ドルの企業価値があるとされていた。 同氏の個人資産は160億ドルと推計された。 バンクマン・フリード氏を絶賛するシリコンバレーのベンチャーキャピタリストにとっては、同氏はテレビゲームに興じながら投資家を魅了できる金融の天才で、ひょっとしたら世界初の1兆ドル長者になる人物だった。 米ワシントンでは暗号資産業界の顔役として受け入れられ、連邦議会の議員と親しく付き合い、業界の規制に影響を及ぼす取り組みに資金を出し
暗号資産の転落、これで終わりなのか?
FTX後の世界、業界の評判と野心に大きな傷
2022.11.24(木)
The Economist
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