母と娘。その関係性は母と息子、父と息子とは違う複雑さがあると聞く。同性で自分によく似た娘に母親は自分と同じ轍を踏ませぬよう、厳しく躾ける傾向にあるらしい。 同性の息子に一人の人間として、別の人格として、向き合える父親と違い、母親は娘に特別な執着があるのか。娘である私には確かに思い当たる節がある。『わたしのお母さん』はそういった私的な記憶を思い起こさせる。すっかり忘れていた当時の息苦しさが蘇ってくる作品だ。 夕子(井上真央)は夫(橋本一郎)と二人暮らし。ところが夕子の弟で長男の勝(笠松将)一家と暮らしていた母・寛子(石田えり)がボヤ騒ぎを起こしてしまい、夕子夫婦の暮らすマンションに一時的に身を寄
お互い悪気はないのに決して分かり合えない母と娘、映画『わたしのお母さん』
井上真央と石田えりが快演、きっと誰もが共感する日常生活で感じる距離感
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